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はじめに:永住審査は「加点方式」から「減点方式」へ
かつての永住審査は「年収や居住歴」といったプラスの面が重視されていましたが、現在は「ルールを守っているか」というマイナス面(減点)のチェックが非常に厳格です。 以前から「税金などの支払い遅れは即不許可」となる要因でしたが、それだけではなく、これまで「注意」で済んでいた届出の遅れや漏れが、ダイレクトに不許可理由になるケースが出てきています。
なぜ「届出」が重要なのか
永住許可のガイドラインには、大きく分けて3つの要件があります。
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素行善良要件(法を遵守し、社会的に非難される生活をしていないこと)
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独立生計要件(公共の負担にならず、安定した生活ができること)
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国益適合要件(その人の永住が日本の利益になること)
このうち、「届出を守ること」は「素行善良要件」と「国益適合要件(公的義務の履行)」の双方に深く関わります。
ただの届出でしょ、と思われるかもしれませんが、届出は「義務」です。入管側から見れば、期限内に届出を行わない人物は、「日本の法律を軽視している人物」あるいは「管理ができない人物」と映ります。また、2024年の法改正議論(永住許可後も公的義務を著しく怠れば許可を取り消すことができる制度の導入など)を見てもわかる通り、国は「永住者という特権的な地位を与える以上、ルール遵守には人一倍厳しくあるべきだ」という姿勢を明確にしています。
あなたは大丈夫?忘れがちな「入管法上の届出」
「納税や年金は気にしていたけれど、これは忘れていた」という方が多い届出を整理します。
所属機関に関する届出(留学・技人国・介護・特定技能など)
・転職した
・退職した
・会社の名前・住所が変わった
・会社が倒産・合併した
・(業務委託などで働いていて)新たな機関と契約をした
これらが発生してから14日以内に、入管へ電子届出システムや郵送で届け出なければなりません。
「転職後、次のビザ更新の時にまとめて言えばいいと思っていた」と勘違いしている人もいますが、ビザ更新(在留期間更新許可申請)はあくまで「次の期間の許可」を求めるものであり、過去の「変更の届出」とは別物です。
14日を過ぎてからの届出は、その時点で「義務違反」の記録として残ります。
契約書の終了と新たな契約締結の届出(入管ホームページより)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00015.html
住居地に関する届出
引っ越しをした際の届出です。 多くの方は市区町村役場で「転入届」を出し、その際に窓口で在留カードを提示して裏面に新住所を書いてもらったことがあるでしょう。
これが入管への届出も兼ねることになりますので、住所変更の届出を忘れている人はそう多くないでしょう。
問題は、「役所への転入手続き自体が、引っ越しから14日を過ぎていた場合」です。
役所への手続きが遅れた場合、それはそのまま入管に「届出遅延」として把握されます。
もし「忘れていた!」と気づいたら
過去の未提出を隠すことはできません。過去のものについても、すぐに届出を提出しましょう。
適切な対処によって審査への影響を最小限に抑えられる可能性があります。
ぜひご相談ください。


