なぜ結婚しても不許可になるの?~信頼を得る申請のコツ~

はじめに

そもそも、結婚しているのにどうして不許可になることがあるの?と疑問を持たれているの方のために、日本人配偶者ビザについて、また信頼を得る申請のコツをお伝えしていきます。

偽装結婚の過去と審査の厳格化

配偶者ビザは就労活動に制限がありません。

就労ビザの代表格である技術人文知識国際業務の在留資格では、大学卒業や実務経験などが求められ、単純労働の仕事につくことはできません。

ですが日本人配偶者ビザの人であれば、アルバイトのような単純労働でも可能ですし、キャバクラ、スナック、バーなどのナイトワーク、いわゆる「風俗営業」にかかわる仕事に就くことさえできます。

そのため、日本に滞在したい外国人が、金銭目的の日本人と結婚をして配偶者ビザをとる「偽装結婚」が多発した時代がありました。

実際に、偽装結婚により日本での在留資格を得た外国人女性がナイトワークの仕事で働いていた事例は多く報告されています。

(「日本人の配偶者ビザ」の人がナイトワークをすること自体は違法ではありませんが、配偶者としての実態がないのに、配偶者ビザを取得したことが違法「在留資格不正取得罪」になります。)

法務省の統計によれば、令和4年の1年間でも、偽装結婚による在留資格の取消し件数は100件以上確認されています。

そのため、やましい点はない本物の夫婦であっても「疑われやすい条件」に当てはまり、かつそれをぬぐいさる十分な説明ができないと、不許可になることがあるのです。

 

「在留資格の審査結果」=配偶者ビザ

ここまで読んでおわかりいただけたように、配偶者ビザは審査の結果与えられるもので、日本人と外国人が結婚したら自動的にもらえるものではないということです。

入管が審査しているのは、「この結婚が真実であるか」そして「日本国内で安定して生活していけるか」という点です。

疑われやすい条件とは?

以下のような状況があると、偽装結婚を疑われやすくなります。

  • 年齢差が15歳以上ある
  • 出会ってから半年以内に結婚している
  • 日本語で会話ができない(共通言語がない)
  • 出会いが結婚紹介所、またはSNSなど
  • 離婚歴がある(日本人側が過去に外国人と結婚して離婚していたり、外国人側が過去も日本人と結婚して離婚している)
  • 収入が不安定、または外国人側の在留歴に問題がある

立証責任は申請者にある、という前提

ビザの申請では、「立証責任(りっしょうせきにん)」というとても大事な考え方があります。

これは、「ある主張が本当だと言いたい人が、それを証明しなければならない」という法的ルールです。

これは入管の世界だけでなく、たとえば裁判などで使われる基本の考え方です。

裁判でも権利を主張する人が証明する

たとえば、交通事故で「相手の過失(ミス)により損害を受けた」とあなたが主張するなら、それを証明する必要があるのは、あなた自身です。

ドライブレコーダーの映像や、目撃者の証言などを集めなければなりません。

被害者が「相手が悪い」と言うだけではダメで、証拠をそろえて初めて裁判所が判断できる、ということです。

ビザの世界でも「本当の結婚です」と言うだけでは足りない

この考え方は、ビザの世界でも同じです。

あなたが「私たちは本当に結婚していて、夫婦として生活しています」と言うなら、それが本当であることを証明するのは、あなたの責任です。

入管は「偽装結婚ではないか」という目で書類を見ているのであり、最初から信じてくれるわけではありません。

信頼してもらえる書類をつくることの重要性

立証責任が申請者にある以上、どんなに本物の結婚であっても、それが伝わるように書類を作る必要があります。

たとえば

  • 出会い

  • 交際状況・期間(お互いの国を訪問した様子、やりとりの頻度、使用言語)
  • 結婚の決意、結婚式の様子

  • 双方の家族との面識

これらを、ストーリーとしてわかりやすく、信じてもらえる形にまとめるのは、とても大切です。
ここをおろそかにすると、入管は「何か嘘をついているのではないか」と考えます。

出会いから結婚までの経緯をわかりやすく説明したら、そのうえで 客観的な証拠もつけます。

  • LINEやメールのやりとり(翻訳付き)
  • 結婚式や両家顔合わせの写真
  • 周囲の証言書(友人・親族など)
  • 日本での生活の安定性を示す書類(在職証明書など)

 

入管が見ているのは「これまでと今の関係性」だけではありません。

「この2人が、これから先も安定して日本で暮らしていけるのか?」という“将来性”も重視しています。

将来への展望も書くといいでしょう。

 

最後に:入管と「対話」する気持ちで

入管は、敵ではありません。でも、冷静で慎重な機関です。あなたの主張をそのまま信じてくれるわけではありません。

だからこそ、書類という「ことば」で、自分の立場をしっかり伝えることが大切です。

当事務所では、配偶者ビザを申請したい方のためにいくつかのプランをご用意しております。

自分で申請してみたい、費用を抑えたいという方には、自力申請応援サービスをご用意しております。

必要書類リストの作成や、書類のチェック、質問書の確認など、重要なポイント、必要なところだけをプロがサポートします。

特に

  • 年齢差や出会い方に特に問題がない
  • 日本語での意思疎通が可能
  • 長期間の交際実績がある
  • LINEや写真など、証拠をしっかり残している

という方にはおすすめです。

一方で、「疑われやすい」タイプに当てはまる方の場合は、全体の戦略や説明の組み立てもふくめ、フルサポートプランをおすすめします。

どちらがいいかわからない、という方もまずはお気軽にご連絡ください。

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