よろしくお願いします。まずは、これまでの経緯を簡単に教えてください
国際結婚をしていまして。そのときに、元夫の日本人の配偶者ビザを自分で申請したのが初めてのビザ申請です。国際結婚は偽装結婚を疑われるから難しいと聞いていて不安もありましたが、いろいろ調べながら「自分達の結婚が怪しいものではない」と証明する資料を準備しました。
はい。札幌入管がそれほど混んでいないのもあったかとは思いますが、わずか10日ほどで結果が出たのは驚きでした。最終的に結局夫とは離婚してしまったのですが(笑)
その後、縁あって東川町の専門学校で留学生の受け入れ業務、留学ビザの申請を担当する事務職員として働きはじめ、就職してから日本語教師の資格もとり10年にわたり日本語教師として留学生とかかわってきました。

そんな中で、行政書士として開業しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
留学ビザの申請や留学生の進路指導の具体的な事例を通して、「そんなことが不許可の理由になるの?」と入国管理局の考え方、在留資格制度の奥深さをひとつひとつ知っていきました。
留学生が就職面接を受けたら「日本語専攻じゃないので(ビザがとれないから)内定出せません。」と断られたり、就労ビザの申請をしたら入管から追加資料の通知がきて、その時点で内定先の会社側が諦めてしまったりということもありました。
私はとことん調べるタイプなので、そういうことがある度に「大学の専攻は関係ありません」と会社を説得したり、「国での実務経験を証明したら可能性はあるよ」と学生をサポートしたりしていました。その時いつも見ていたのが、ビザ申請専門の行政書士の方々のホームページでした。
会社の担当者に限らず、日本語学校の先生でもビザ制度のことがよくわかっていない、というのは決して珍しいことではなく、実際にビザが不許可になって就職できなかった学生もいたので、知識がないことで外国の方々の日本での可能性がつぶれてしまうのはすごくもったいないな、と感じたんですね。
なるほど、本当は日本に居ることができるはずの外国人が帰国せざるを得ないケースがあることを実感されたのですね。
入管業務はそもそも制度が複雑なうえ、入国管理局の裁量が大きい分野です。入国管理局の必要書類リストには出てこないけれど「実務上では…」といった要件もあり、申請したら必ず許可がもらえるものでもありません。が、逆に知識があれば、それが武器になるとわかりました。そんなことをやっているうちに、「ビザ申請を仕事として行う行政書士」の存在感が増していき、行政書士試験に挑戦しました。
そんな経緯があったのですね。ところで北海道には多くの行政書士事務所がありますが、鈴木さんの事務所の特徴は何だと思いますか?
やはり私自身が、「外国人」というマイノリティの立場を経験していることではないでしょうか。
海外で仕事をしていたときは、正直しんどかったです。日本と現地の人々のあいだで、悩むことも多かったです。ですが、そのときの経験が留学生と向き合う土台になっていると感じています。また、外国人のパートナーや留学生とリアルな経験をたくさんしてきましたので、「生活者」としての彼らの立場に寄り添えるかな、とは思っています。
同じ「外国人」としての立場をわかった上での対応ができるということですね。お客さまとのやり取りにおいては、どのようなことを心がけていますか?
日本語教師を10年やってきたので、日本語が多少不自由であっても言いたいことの意図をくみ取るのは得意な方だと思います。また相手のレベルに合わせた日本語、語彙コントロールも自然にできるかと。
ですが、一番は私が外国人の方々にとって「安心して相談できる相手」になることだと思っています。
安心が大事。
はい。普通の日本人でも、弁護士に相談ってハードルが高く感じられますよね。だから、専門家として事実だけを伝えるのではなく、それぞれの方が置かれている状況をくみ取った相談ができればいいなと思っています。
確かに、言われてみるとそうかもしれません。実際に行政書士として活動してみて、やりがいを感じるところはどんなところですか?
今は情報があふれかえっていますので、正直ビザ申請なんてわざわざ高いお金を払ってお願いする必要もない、と感じられている方も多いかもしれません。私も自分でやりましたし……。
はい(笑)、簡単な申請ならそれでいいと思います。
ですが、実際は調べても出てこないような珍しいケース、個々の状況に応じて私の場合はどうなの?といったことが多々あります。
そういうときこそ、専門家の出番だな、と感じています。難しい条件でも、ビザ許可の可能性を見つけたり、実際に許可がでたりして外国人の方の日本での可能性を開くお手伝いができた、と感じられるのが一番のやりがいですね。
最後に、ビザの申請でお困りの方に対して何かあればひと言お願いします
ちょっとした知識がなかったために不許可になってしまったり、知っていれば、こんな選択もできたのに、というのはもったいないな、と感じています。
ビザを考えることは、人生を考えること。ビザから人生設計が始まります。また「外国」である日本で生活を送っていくとなると、何かしら困りごとは発生すると思います。許可がとれたらおわりではなく、そういったときに、気軽に相談できる相手にもなれたらと思っていますので、長い目でみて「日本で生活するパートナー」が欲しいな、という方はぜひご相談いただけたらと思います。
正しい知識であなたの知識を一緒にひらきましょう。
ビザから始まる人生設計。
Design your visa, Design your life.

今日はありがとうございました。